朝9時頃、いつもの週末のように風呂にmp3プレイヤを持ち込みのんびり湯船につかっていたら、けたたましいサイレンが2,3自宅前を通り過ぎていった。
早速風呂から上がり火災情報ダイヤルにかけてみたところ、隣町で住宅火災とのアナウンス。
隣の分団の管轄だが出る必要があるのだろうか。所属の部長に電話してもつながらない。
迷ったあげくとりあえず長靴&軍手装備で徒歩1分以内にある機庫に出向くと、まもなく班長、つづいて4年上で団歴の長いNさん、新人のI君がやってきた。
「○○君自宅だったの?仕事行ってるかと思って連絡しなかったんだ。」と班長。
前回火災の呼び出しをもらったのは確か職場だったな。
車両に乗り合わせ、2kmさきの現場付近に到着。
すでに本職の消防隊や近隣の分団は到着しており、自分たちは現場のふもと数百mに車両を駐め、ポンプをおろして4人で下げて坂を上る。普段可搬ポンプは足下におろす程度だったのでそれほど感じなかったが、いざ長距離を運ぶとその重量に悪戦苦闘。目的地まで半分あたりでどうにもならなくなってしまった。
メンバーを入れ替えながら何とか現場に到着。
小さな建材販売所の事務所が燃えていた。
炎は見えないが、相当の煙が上がっている。始めて至近距離で火災を目の当たりにして腰が引けるが、一般人が見守る中みっともないことは出来ない。とはいうものの何をして良いのかさっぱりわからず、とりあえず入り乱れて折れまくっているラインを整理してみる。
心配そうに伺う近所の方々。消防隊員の飛び交う怒声。
消防団はポンプで水圧を管理する者、筒先を持つ者は数名で、あとはだだあまりな感じで突っ立ってみてる感じだった。
しばらく混じって状況を見ていると、隣の分団員がホースカーを(誰か手伝えよ…)と愚痴をこぼしながら一人で引っ張って坂をあがってきたので、とっさに後ろにつく。
ホースカーというのは、リアカーのような形状で、尻からホースを垂れ流しながら引っ張っていくことでラインを形成するアイテムで、通常ふたは閉めて運用する。
しかしなぜかこの人ふたを開けたまま、閉まらないように手で支えながら引きずっており、ライン引きを始めて見た自分は特に疑問を持たず後ろを押したところ、段差でふたがおちてきて手を挟んでしまった。
あとで班長にきくと、「んなわけない。ホースを収納するときはあけるが使うときは閉めるもんだ」ということだった。
相当痛かったよ隣の分団のお兄さん。。。
1時間ほどで何とか鎮火。延焼はなかったが屋根も落としたため建物はもう使えない。
短時間でいろんな物を失う火災のむなしさを痛感した。
詰め所に戻り、ホースを干して備品の整備をした後は何事もなく解散。
家に帰った後いろいろと不安になる。
今回の出動についての反省会とかは?
自分、筒先の持ち方やポンプの制御、無線の使い方など何も知らないんだが、
そういうのって現場・本番でしか知る機会ないの?
座学でも良いので何度か実践向けの訓練がしたいと訴えたが、いまのところなにもない。
こんなので新人増えてきてもこまる。まあ新人のあてがないんだが。
こんなの。中にホースを折りたたんで10本程度収納。
鉄製なのでふたで手を挟むととても痛い。
画像は消防器具メーカー「東京サイレン」様より拝借。